COLUMN

2025年3月21日

【リテーナーサーチ −機会と可能性の最大化−】

第6回 「意志」ある経営者との出会いを創出し、企業経営の進化に貢献する

佐久間 智也Tomoya Sakuma

私は今年の4月で業歴17年となり、現在、弊社にて掲題のリテーナーサーチサービスを中心に、サクセッションプランニング(経営陣の後継者計画)支援などの仕事を主にさせていただいている。今回、弊社のリテーナーサーチサービスがどのようなものかを知っていただく機会とのことで、理系出身の自分としてはあまり得意ではないながらも筆を執る。

この業に携わる人間として、毎日、経営者や株主の方々とお会いする。面談の場では必ずと言っていいほど、持続的な企業価値の向上についての議論となる。交わす話題は、事業戦略、海外事業展開、事業ポートフォリオ再編などから、資本コストや株価を意識した経営、リスクマネジメント、サクセッションプランニング、コーポレートガバナンスについてなど多岐に渡る。このような数多ある経営アジェンダの解決策の一つとして、エグゼクティブサーチのご相談をいただく流れとなる。

そのため、エグゼクティブサーチのご相談は、抽象度が極めて高いところから始まる。数例を挙げると「海外展開や新規事業など含め、M&Aによる事業ポートフォリオ変革を加速していきたい」、「コーポレートガバナンスを一層強化すべく、取締役会議長を務めていただける社外取締役を招聘したい」、「事業ポートフォリオの再構築に伴い、伝統的企業文化から挑戦する風土への改革を行いたい」、「これまで自身が育てあげてきた会社を昇華させてくれるような、とにかく優秀な後継候補を連れてきてほしい」等々、まずはクライアント企業が抱える大きな構想を受け取ることとなる。

大きな構想を受け取った後は、課題の具体化に入る。これまでの会社の歴史や大切にしてきたこと、現在の強み・弱み、将来目指したい姿などについて細かく議論を交わし理解を深める。将来を見据えた時に、現在のボードメンバーに何が足りないのか率直に意見をぶつけ合い、クライアント企業と弊社間で仮説立てと修正を繰り返す。この時の、率直な議論を特別大事にする姿勢を“リクルートらしい”と好意的に仰ってくださる方も多い。また、弊社の一つの特徴として大手企業からのご相談も多いため、時には役員6〜7名に囲まれながら、目的に照らして議論を整理し、時間をかけて意見を取り纏めていくファシリテーターとしての役割を担うことも少なくない。そうやって、どのような方が必要とされているのかを形づくり、色づけ、立体化していく。

その後、立体化した共有イメージをもとに、そのような人材が具体的にどこにいらっしゃるどのような方なのかをリサーチする。当該領域にて第一線で活躍されている方々や、業界団体、大学教授など多方面にアドバイスをいただきながらリサーチ活動を行っていくのだが、ここで弊社の強みが活きる。リクルートグループとしてこれまで培った社内外ネットワークを活かせるのは勿論のこと、同僚の弊社のコンサルタントやリサーチャーが特徴的なバックグラウンドを持っていることも、リサーチ活動における大きな力だ。弊社は、5大ファームと呼ばれるグローバルエクゼクティブサーチファーム、戦略コンサルティングファーム、投資銀行等の出身者や、海外MBAホルダ、30年以上リクルートグループにて活躍しているメンバーなど、経営者と第一線で仕事をしてきた多種多様な人員で構成されている。このような同僚の豊富なネットワークやアイデアも借りながら、候補となる方の情報を集め、絞り込んでいくチームワークは弊社の強みの一つとなっている。

この後は、リサーチにて集めた情報をもとに、クライアント企業と具体的な候補者アプローチ戦略を設計し、候補者との出会いを創出することになる。クライアント企業と候補者とのマッチングで我々が徹底的にこだわる点は、企業経営者と候補者双方の「志(Will)」のフィットを大切にすること。前述のクライアント企業のみならず、候補者となる方々に対しても、社会に、業界に、そして自分自身の今後の可能性にどのような志を持たれているかを理解することに努める。そして、クライアント企業と連携して、候補者の志に対してどのような舞台を用意するか、このマッチングに魂を込める。この弊社のカルチャーは、リクルートグループの「Follow Your Heart」や「個の尊重」という文化に基づくものだと考えている。そうすることで、参画後の候補者の仕事に魂が宿り、本当の意味でクライアント企業の経営を進化させることに繋がり、社会に対して新たな価値を生み出していくことに繋がる。幸いにも、実際にそのような事例を弊社にて数多く見ることができている。

コラムという形でお伝えできることは、弊社のリテーナーサーチサービスのほんの一部分ではある。しかしこのようなサービスによって真に力のあるエグゼクティブの皆様の適材適所に貢献していくことが、多くの企業経営の進化、持続的な企業価値向上に繋がり、それが社会・経済への価値提供に繋がっていくことを願い、筆を置く。

執筆者

佐久間 智也

佐久間 智也

Tomoya Sakuma

2008年より経営幹部の紹介業、エグゼクティブサーチに従事。
大手転職エージェンシーにて、IT業界および製造業の大手企業を中心に経営層・事業責任者等の紹介に従事しながら、部長職・支店長職として部門および拠点責任者を担う。
その後、グローバルエグゼクティブサーチファームであるコーン・フェリー日本法人にて、日系上場企業および外資系企業における経営幹部のエグゼクティブサーチプロジェクトに従事。
当社へ参画後は、リテーナー形式のサーチコンサルティングサービスを中心に担当。消費財、小売・流通業、サービス業、IT・プロフェッショナルサービス業界など、上場日系企業からグローバル企業、PEファンド投資先まで幅広い企業に対応。代表取締役を含む役員や事業責任者、バックオフィス責任者や社外取締役等の外部招聘や後継者計画支援を手掛ける。

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