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オープンイノベーション実現へ向けた経営者の視点
前編:オープンイノベーション成功への課題とは?

2019年3月29日

1.オープンイノベーションの必要性

企業活動において、自社内のリソースだけで新製品開発や新規事業の立ち上げを行う「自前主義」に限界が訪れています。
その背景にあるのは、ICTの進展により「技術の複雑化、製品・サービスのシステム化が進んでいる」という事実。例えば自動車の自動運転を実現するには、自動車製造技術だけではなく、外部ネットワークとの通信技術やAI技術など、多様な技術が必要になります。このような技術すべてを1社で賄うことが難しいのは言うまでもありません。
また「製品やサービスのライフサイクルが短期化」していることも「自前主義」が限界に達している要因の1つ。これもICTの進展が影響していますが、情報伝達のスピードが速くなり、競合が技術をキャッチアップしやすくなった結果、いくら優れた商品でも優位性を保つ期間が短くなっています。市場が変化するスピードが速まっていることも併せて考えると、研究開発や製品化、市場化にはいままで以上にスピード感が求められ、1社による開発では、それに応えることが厳しくなっています。
さらにグローバリゼーションなどによって市場競争が一層激化していることもあり、現在のビジネス環境においては、垂直統合型のビジネスモデルを前提とした「自前主義」では競争に勝ち難い傾向が強まっています。

2.日本企業のオープンイノベーションの現状

そのような状況を打破するために、ここ10数年の間、欧米企業を中心に取り組みが活発化しているのが、オープンイノベーションです。
オープンイノベーションという概念は、2003年に、当時ハーバード大学経営大学院の教員であったヘンリー・チェスブロウ氏(現カリフォルニア大学バークレイ校教授)が自著で提唱したもので、次のように定義されています。
━━オープンイノベーションとは、企業内部と外部のアイデアを有機的に結合させ、価値を創造することである(Henry W. Chesbrough, “Open Innovation - the New Imperative for Creating and Profiting from Technology”, 2003)━━
この概念が発表されてから15年余り。これまで日本でも取り組みを進める企業は少なくありませんでしたが、学習院大学経済学部の米山茂美教授は、日本企業におけるオープンイノベーションの状況について「欧米に比べると遅れていると言わざるを得ません」と語っています。
米山教授は、2015年にチェスブロウ教授をはじめとする日欧米の複数の研究者と共同で、日欧米企業のオープンイノベーション活動の比較研究を行いましたが、その中で欧米では78%の企業がオープンイノベーションを実施しているのに対し、日本では実施企業は48%にとどまっていることを明らかにしています(図1:米山茂美,渡部俊也,山内 勇,真鍋誠司,岩田 智,『日米欧企業におけるオープン・イノベーション活動の比較研究』,2017)。

図1 オープン・イノベーション活動の実施率

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